2011年7月号記事

大震災、尖閣事件、 北朝鮮ミサイル──。

もし憲法9条で国を守れるとしたら

戦後60年を超える日本の平和は、いったい何がもたらしたのだろう。

9条に象徴される平和憲法のおかげなのか。

それとも、日米安全保障で日本に点在する米軍基地なのか。

日本は今、この問いかけに真剣に答えを出す必要に迫られている。

最近になって国防を揺るがす大事件が頻発しているからだ。

沖縄の米軍基地の移転問題もそうだし

尖閣諸島の中国漁船との衝突事件や

北方領土問題でロシアが強硬姿勢に転じたこともそうだ。

一昨年には北朝鮮がミサイルを撃ってきたし、今年は東日本大震災で大惨事となった。

憲法を守ることで、こうした国難にどこまで対処できるのか。

各界識者のインタビューを交えつつ

憲法をめぐるいくつかの論点を整理し、あるべき憲法について考えてみたい。

(編集部 村上俊樹、吉川枝里、山下格史)

illustration:川辺蓮

目 次
第1部 憲法9条で国は守れるか
  • 守れる派 伊藤真
  • 守れない派 本誌編集部& 小林節
第2部 こんなにある!“違憲”な制度と法律
第3部 それでも改憲は必要だ

第1部 憲法9条で国は守れるか

世界に誇る平和憲法の象徴である第9条で、本当に国を守れるのか。そのままで守れると考える護憲派と、条件付きなら現行憲法でも

守れると考える新護憲派の見解を対比させてみた。