参院は18日の本会議で、憲法審査会の運営手続きを定めた規定を民主、自民、公明各党などの賛成多数で可決、制定した。共産、社民両党は反対、民主党の一部議員が棄権した。

日本国憲法第96条では、憲法改正の手続きについて、「国会で衆参各議員の総議員の3分の2以上の賛成を経た後、国民投票によって過半数の賛成を必要とする」と定められている。この「国民投票」を国民によって直接行うことを定めたのが「日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)」で、2007年に成立、2010年から施行されることになった。

この国民投票までの流れは、

法律で定める一定数の国会議員の賛成により、憲法改正案の原案が発議

原案を衆参それぞれの憲法審査会で審議

衆参それぞれの本会議で3分の2以上の賛成で可決

両院で可決

国会が憲法改正の発議

国民に提案

国民投票 となる。

衆参両院の憲法審査会は国民投票法の成立に伴って2007年に設置されたが、規定は2009年に衆院が制定したものの、参院には規定がなかった。今回、その規定がようやく制定され、憲法改正原案の審議から国民投票の実施までに必要な制度がすべて整った。ただ、衆参ともに委員選任が進んでおらず、審査会が始動するにはまだ時間がかかりそうだ。

だが、昨今の中国・北朝鮮の軍備拡張や挑発行為を考えると、特に憲法9条の改正は急がれるべきだ。国民投票法が成立してからすでに4年も経っているが、そんなに悠長にしている場合ではないはずだろう。(吉)

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