9日付朝鮮日報によると、北朝鮮が1999年から2008年の10年間に国外から4億7500万ドル(約402億円)相当の武器や武器用部品を輸入していたことを、ハンナラ党議員が明らかにした。

また同期間中、北朝鮮はロシアや中国、スロバキアからヘリや戦車用エンジン、航空機の部品やレーダーなどを購入。ほかにも、キューバやコンゴ、アンゴラ、リビア、シリア、タンザニア、ウガンダなど社会主義国や中東・アフリカ諸国と計101回にわたり軍事交流を行ってきたという。

実際、3月29日付の中央日報では、リビアの反政府派がカダフィ軍から再奪還したブレガの武器庫から、北朝鮮製を示す「D.P.R of KOREA」と書かれた砲弾ボックスが見つかったことが報じられている。さらに「ブルドーザー部品」と書かれた箱には武器が入っていたという。これは、国連から受けている武器輸出制裁に反して、北朝鮮がリビア政府に武器を輸出していた証拠となる。

さらに、聯合ニュースによると、現在リビアには医師や看護師ら200人余りの北朝鮮国民がいるが、北朝鮮当局からそれらの人々に対して「帰国不可」の指示が出された。リビアで反体制デモが発生した後、他の国では自国民を退避させたのに対して、まったく逆の指示となる。これは、中東で広がっている民主化デモの情報を国内に入れないためと見られている。

一方で北朝鮮は、金桂冠第1外務次官が7日訪中し、張志軍次官らと会談した。日米韓が慎重姿勢を示しており、2008年12月以来開かれていない6カ国協議再開の打開策を探るのが狙いだったと見られている。だが、それならば、国際社会のルールに従う姿勢を自ら見せなければならないし、情報を遮断して国民の自由を奪う独裁政治も改めるべきだ。もっとも、リビアにいたほうが北朝鮮人にとっては幸せかもしれないが。(吉)

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