防衛省のシンクタンク「防衛研究所」が6日、軍事拡大を続ける中国軍の動きを分析した報告書「中国安全保障レポート」を公表した。同レポートは同研究所のHPで閲覧できる。中国軍に特化した報告書の公表は初めて。
同レポートは約40ページ。4つの柱を立て、「近代化を進める人民解放軍の現状と、その背景にある中国の意図を明らかにする試みでもある」と真正面から中国の軍拡を論じている点は興味深い。以下は、レポートの主な論点の要約。
1 「中国の対外姿勢」 中国は、自国の国家利益が領土、領海、領空を越えて、海洋、宇宙、電磁空間などへと拡大していると認識している。また、中国は諸外国と進める「軍事外交」を「平和発展の道」と主張する。
2 「拡大する活動範囲」 中国海軍は遠海機動作戦能力を向上させるために、遠海訓練の常態化を図っており、周辺海域における中国海軍の活動は増加・拡大する趨勢にある。
3 「役割を増す軍事外交」 中国の軍事力の近代化、特に中国海軍の活動範囲が拡大し、海・空域において、自衛隊と人民解放軍との間で「不測の事態」が発生する可能性は否定できない。
4 「進む装備の近代化」 海軍は、潜水艦の攻撃能力の強化や空母の保有準備を進めており、空軍は、戦闘機の精密攻撃能力の強化や第4世代戦闘機に対する空中給油能力の獲得を目指している。
「友愛外交」を唱えた民主党が政権交代を果たした09年の衆院選では、「中国の脅威」や「安全保障」というテーマについて同党はほとんど触れなかったし、マスコミも争点に上げなかった。それからすると隔世の感があるが、このレポートを生かすも殺すも菅政権次第。震災という混乱の中でも、国防に目を配り、国民の生命・財産・安全を守るのが政治家の責務である。(格)
参考記事
201X年日本再占領!? 今度は中国だ( http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=74 )
民主党政権から日本を守れ( http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=915 )
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