米マサチューセッツ工科大(MIT)のダニエル・ノセラ教授が全米化学会で、植物の光合成の原理を応用し、人工的に作り出した「葉っぱ」で発電する技術を開発したとこのほど発表し、話題となっている。
シリコンや化学触媒など入手しやすい材料を使っているうえ、光合成を行うエネルギー効率は、自然の葉と比べて10倍あるという。途上国の家庭ならば、1・5リットル程度の水(生活廃水)で1日分の電力を供給できるレベルにあると報じられている。
この研究は、インドの財閥タタ・グループが支援。同グループは、圧縮空気で走る「空気自動車」の開発を進めるなど、新エネルギー技術に強い関心を持っており、「人工葉」の研究もその一環。アジアやアフリカの各家庭に「人工光合成による発電機」を設置したり、「水で走る自動車」が普及するビジョンを描いている。グループの一社、タタ自動車は、この研究に約12億円を投じることを今年1月に発表した。
日本では、ノーベル化学賞を昨年受賞した根岸英一・米パデユー大特別教授が特別招聘教授を務める北海道大触媒化学研究センターを中心に、国内の研究者約120人が集結し、「人工光合成」プロジェクトを進めている。米印連合と日本との開発競争が展開されている図式だ。
水と二酸化炭素と光で効率的にエネルギーを取り出すことができれば、これからのエネルギー不足の時代を人類は平和裏に生き抜くことができる。(織)
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