2&3日付インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は1面トップで、今回の震災で4月1日の新卒入社が流れてしまった日本の若者たち数人の声を紹介し、彼らが自分の人生や仕事に「意味」(meaning)を見出そうとしている真摯さを伝えている。抜粋して紹介する。

・日本では4月1日に多くの若者たちが新たに社会人となった。豊かな社会に生まれ育ち、年長者からは「自己中心的な物質主義者」(selfish materialists)であるとして一蹴されることが多い彼らは、震災によって変わってしまった今の日本で何ができるかという試練に直面することになるだろう。

・年輩の日本人は、今の若者は甘やかされているので、自己犠牲や勤勉な労働といった日本の伝統的価値観に則って生きることはできないと決め付けがちだ。しかし、そんなことはない。若者の多くは口々に「自分はこの大変な事態に意味を見出そうとしている」と言う。

・例えば、明治大学を先日卒業して横浜の小さな会社に勤め始めたカミヤマ・ミキはこう話す。「地震が起きる前、私は自分のことと会社で何をすればいいかしか考えていませんでした。でも今は、自分が社会全体に対して何ができるかを考えています」

今回被災した日本人たちの秩序正しい振る舞いに世界は感嘆したが、もう一つ、今回の震災によって多くの若者たちの中に「自分や会社のことだけでなく社会全体のことを考え、意味のある仕事や人生を生きていきたい」という願いが灯ったであろうことも、私たち日本人は誇りに思っていいのではないか。(司)

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