震災が多くの人の命を奪ったなかで、生き延びたにもかかわらず自ら命を絶つ人が出始めている。
福島県須賀川市で24日朝、野菜農家の男性(64)が自宅の敷地内で首をつり、命を絶った。福島第一原発の事故の影響で、政府が福島県産野菜の一部について「摂取制限」の指示を出した翌日だった。遺書はなかったが、丹精を込めて育てて収穫直前だったキャベツを出荷できる見込みがなくなったこの男性が「福島の野菜はもうだめだ」とつぶやいたのを、男性の次男(35)は覚えているという(29日付朝日新聞より)。
また21日朝には、岩手県山田町の自動車専用道路の陸橋下で男性が死んでいるのが見つかった。遺書はなかったが飛び降り自殺の可能性があるとみられている。男性は東日本大震災で自宅を失ったという(毎日jpより)。
仕事や生活の見通しが立たなくなって生きる望みを失うのは、わからなくはない。だが、愛する家族を津波で失った人からすれば、「せっかく命があるのに自殺するなんて、感謝知らずだ」と思いたくなることだろう。幸福の科学の大川隆法総裁は『生命の法』第2章「自殺を防止するためには」で、こう述べている。
「自殺したくなったら、どうか、一度、大病院にでも行って、(中略)重病でもまだ頑張っている人の姿を見てください。そして、大病院の次は墓地へ行ってください。(中略)死んだ人々の墓を見て、『自分にまだ生命(いのち)がある』ということの尊さを感じてください。『残された生命を、どのように使わなければいけないか』ということを考え、その生命の尊さを感じてください」
今回の震災でいえば、家族や家財産を失ったり仕事が駄目になったりして死にたくなった人は、津波に呑まれて死んでいった多くの人たちの無念さを思ってみてはどうか。彼らに比べれば、何はなくとも命があることがどれだけ尊いかわかるのではないか。震災の“二次災害”としての自殺を防ぐために、絶望している人たちに慰めと励ましの手を差し伸べ、生き延びるための力となる「考え方」を伝えていかねばならない。(司)
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