開始から1週間になるリビア介入は政府側の空軍能力を破壊するなど成果を見せているが、一方で作戦の指揮権やゴールをめぐる問題が、先行きに不透明感を残している。
多国籍軍は24日、飛行禁止区域設営作戦の指揮権をNATOに移管することに同意したが、指揮命令系統について混乱を懸念する声もある。24日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル社説は「アメリカのリーダーシップなしには、方針はまとまらず、各国の妥協の産物の下に作戦が展開されることになるだろう」と論じている。
また、軍事作戦をカダフィ大佐退陣まで続けるのかどうかについても、未だに同意がない状態が続いている。国連安保理の介入決議は民間人の保護を名目にしているが、オバマ米大統領は作戦開始前に既にカダフィ氏退陣を求めている。「大統領が独断で作戦参加を決めた」という批判が議会を中心に高まるアメリカでは23日、ベイナー下院議長が大統領宛の公開質問状で、リビアでの作戦目標とアメリカの国益を明確にするように求めた。
深入りしすぎれば足を取られかねないが、逆に中途半端な作戦を続ければ、今度は内戦を長期化させる懸念もある。作戦のゴールや停戦の条件等について早急に関係国の合意を得る努力がなされるべきであるが、客観的に見て、アメリカ以外にイニシアチブを取れる国はあるだろうか。
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