菅直人首相らの「政治主導」による風評被害に批判が続出している。
福島県商工会議所連合会長の瀬谷俊雄氏は23日、「官邸の発表の仕方が風評リスクをあおっている。つくられた風評被害だ」「毎日摂取しても人体に影響はほとんどないと説明している。その程度ならなぜ官房長官が言うのか」と批判した。ある野党幹部も「風評被害の元凶は政府にある」と不信感をあらわにしている。
食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたため、菅首相は福島、茨城、栃木、群馬4県のホウレンソウなどや、茨城県産のパセリなどについて出荷制限を指示した。しかし、それに関して枝野幸男官房長官は「健康に影響を与えるものではない」と述べている。
実際、この基準は1年近く食べ続けて健康に影響が出るレベルだという。物理学者の大槻義彦・早稲田大名誉教授は、オカルト批判で有名で本誌と相容れない立場ではあるが、「出荷停止のもの、私が食べますからお送りください」と自身のブログで書いている。その通りだろう。
菅首相は、食品衛生法では不可能な広範な地域にわたる出荷停止を、別の法律(原子力災害対策特別措置法)に基づいて行った。この「強権」の発動で、東京のスーパーからは近県の野菜類が姿を消しつつある。関東・東北の農家への打撃は計り知れない。
菅首相は16日に「最悪の事態になった時は、東日本が潰れることも想定しなければならない」と笹森清・元連合会長に語ったと報じられている。むしろ菅首相が「東日本の経済活動を潰す」ことを考えて行動しているように見える。
菅首相が敷く「統制経済」に何とか歯止めをかけなければならない。(織)
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