18日、G7の財務相と中央銀行総裁が電話会談し、日・米・英・カナダの通貨当局と欧州中央銀行が10年半ぶりとなる円売り協調介入を行うことで合意した。

これを受けて同日、日銀が円売り介入を実施したため、東京外国為替市場の円相場は対ドルで急落。介入前に1ドル79円台前半だった円は現在、81円台半ばで推移している。今後、各国も自国市場で、必要に応じて円売りを行う。

急激な円高は市場に不安が広がるため、介入にはやむを得ない部分がある。しかし勘違いしてはいけないのは、円高自体が問題なのではないことだ。円売りは日本の信用低下の表れであり、介入はあくまで一時的なものにとどめるよう努力すべきだ。野田財務相は「我が国が困難な状況にある今、G7当局が連帯して市場の安定に向け協調する意義は極めて大きい」と評価しているが、そう喜んでいられるものではない。

政府は復興のビジョンを示し、日銀は十分な円の供給を続け、早期に国際社会からの信用を取り戻すべきだ。そうすれば投機的な円買いではなく、将来日本は強くなるという正当な理由によって円が買われるようになる。そうして、緩やかな円高傾向が回復し、日本の経済成長が続くことを望みたい。(由)

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