13日午後、谷垣貞一総裁が「国債発行だけで復興財源は賄えない。支援税制を『東北復興ニューディール政策』と位置付ける」という趣旨の提案を菅首相に行なった。菅首相も「復興ニューディール案」に賛意を示しており(後に増税は否定)、与野党が時限増税に向けて検討を始めることになった。14日付の各紙で報じている。

しかし、大震災の影響で、交通や電力のインフラの機能が大幅に低下し、経済への影響が深刻化する中で、どういう形であれ、増税を行なえば経済へのダメージはさらに大きなものとなろう。とんでもない愚策だ。

国債の発行によって財政赤字の拡大を阻止したいのだろうが、あえて乱暴な言い方をすれば、今さら10~20兆円の借金が増えたところで、日本がすぐに破綻するわけではない。しかし、東北地方を中心とする被災地は、今、まさに破綻している最中なのであって、今すぐ復興資金が必要とされる。緊急度・重要度ともに、政府の赤字問題とは優先順位が違う。

復興資金調達用の国債は、日銀が直接引き受けしても構わないだろう。経済学者の高橋洋一氏も、現代ビジネスのコラム「ニュースの深層」3月14日版の中で、戦前の金融恐慌を処理した高橋是清の事例を出して日銀の直接引き受けを推奨している。

この機会に外債募集をしてもいい。被災地でパニックや略奪行為が皆無だったことから日本は世界中から賞賛を浴びており、その信頼性から言って、資金調達は容易にできるはずだ。

ちなみに関東大震災の時は、当時の国家予算の3倍に相当する金額の損害が出た。その時は復興資金としてロンドンやニューヨークで外債を発行する一方で、日銀はモラトリアム(支払い猶予令)を発令している。

今必要なのは、思いきった措置を採って国民の不安を一掃することだ。金と時間と人に糸目をつけず、復興支援に投入することで、次の段階に行けるのだ。(村)

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【3月14日分ニュースクリップ一覧】
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