国際線と国内線を合わせた2010年度の旅客数で、全日空が、会社更生手続き中の日本航空(JAL)を上回ることが確実となった。年度で上回るのは初めて。11日付の日本経済新聞が伝えている。

日航は不採算路線の撤退や減便が響いた。一方の全日空は、国際線でのビジネス需要回復や、昨年10月末からの羽田空港の国際定期便就航によって旅客数を伸ばした。

日航の旅客数はピークの02年度には6千万人を超え、全日空に1千万人以上の大差をつけていた。その大差が引っくり返り、長年の首位がついに逆転したわけである。ナショナルフラッグキャリアを自他共に認めていたJALが全日空に抜かれるとは、まさに隔世の感がある。

筆者が最近話を聞いたJALのOBは、「JALは断然業界1位だった。経営がおかしくなるなんて社員は誰も夢にも思わなかった」と話していた。JAL破綻には政治との癒着など複雑な要因もあるが、経営状態について健全な「危機意識」が現場レベルになかったことは確かなようだ。(司)

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