人手不足に対応すべく、入国管理法の改正をめぐる議論が国会で行われています。

政府が導入を目指している新たな在留資格「特定技能」の対象14業種のうち、今後、外国人の受け入れ数が最も多くなるとみられるのが「介護」です。

介護については、すでに、インドネシア、フィリピン、ベトナムとの経済連携協定での受入れを行っており、昨年11月には、外国人技能実習制度の対象に「介護」が加わりました。

それでも介護分野の人手不足は深刻です。厚生労働省調査によれば、約6割の事業所が人手が足りないと回答しています。

本欄では介護は家族や地域で行うのが基本であると考えていますが、家族だけでは介護が難しいケースもありますし、身寄りのない方も尊厳を持って人生の最期を迎えられるようなサービスは必要です。

ただ、介護業界は他の業界に比べても離職率が高く、なかなか人材が定着しない問題があります。2016年度の離職率は16.7%で、全産業の離職率15%と比べてやや高めです。

離職率が高い理由として、「激務なのに賃金が安い」という処遇面を指摘されるケースが多いですが、処遇面よりも「心身の不調」「事業者の理念や運営のあり方に不満があった」「職場の人間関係」を理由に挙げる人の方が多くいます。

これは、介護施設のマネジメントに問題があるといえそうです。

志のある経営者とスタッフによって運営されている介護施設もありますので、すべてを同じように論じることはできません。しかし、日本人の人材が定着しない状況では、文化や言葉の壁がある外国人の活用はなおのことうまくいかないでしょう。

今後、介護業界に必要とされるマネジメントのあり方について考えてみます。