ベトナムでは6月10日、大規模な反中デモが行われました。その理由は、「経済特区における外国人への長期貸借を検討する政府に対する抗議」でした。
ベトナム国会は、「経済特区において土地のリース期間を最長99年間とすること」を定める経済特区法案を検討していました。国民はこれに対し、「国の領有権を侵害し、他国(中国)へ領土を譲渡することと同然だ」と主張し、抗議デモを行ったのです。その背景には、ベトナム共産党の一党独裁に対する批判もあると見られます。
東南アジアでは現在、ベトナム以外にも、フィリピン、インドネシア、マレーシアなどで反中意識が高まっています。本欄では、日本の安全保障上、重要な位置にある東南アジアの最近の動きを見ていきます。