28日付米紙ウォールストリート・ジャーナルは、故・黄長燁(ファン・ジョンヨプ)元朝鮮労働党書記とともに韓国に亡命した、元北朝鮮高官である金徳弘(キム・ドクホン)氏へのインタビューを紹介している。
金氏はまず金日成・正日親子が交わした会話を紹介し、北朝鮮の核開発への意志が固いことを述べている。1990年代初め、アメリカから核開発に圧力がかけられたとき、金日成は息子の正日に核開発継続の是非を問うたが、「核開発は我々と一体だ」と答えた息子を、腹が据わっていると褒めたたえた。金氏によれば、核開発が金日成の「遺産」である以上、北朝鮮がこれを放棄することはないということである。
また北朝鮮の求めている食糧援助について金氏は、北朝鮮が国民を養う意図が本当にあるなら核開発から資金を捻出するはずで、食糧援助は核開発への援助と変わらないとの見方を示した。それに加えて、金正日は食糧援助を核開発への支援と受け取るだろうとし、食糧供与が誤ったメッセージを送ると指摘している。
もし金氏の分析通りだとすれば、「食糧支援をテコに核開発交渉を行なう」という論理が、いかに楽観的なものかが浮き彫りになる。こちらの想定どおりに、対話や譲歩のシグナルを相手が受け取るとは限らないし、相手が北朝鮮であればそれはなおさらのことである。この記事はハドソン研究所のジャック・デビット、メラニー・カークパトリック両上級研究員の論説の体裁を取っているが、北の体制における核開発の優先度を考えれば、「核兵器を放棄させようと交渉しても無駄である」という両氏の結論もうなずける。
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