チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相がこのほど来日し、各地で講演を行っています。センゲ首相は20日に東京都内で講演を行い、各国が中国のシルクロード経済圏構想「一帯一路」の枠組みの中、経済的な利益を得ることを優先して、チベットへの弾圧に目をつぶるなどの「妥協」を強いられることへの危機感を示しました。

現在、チベット亡命政府は、中国の侵略によって国を追われ、インド北部にあるダラムサラに本拠を構えています。センゲ首相は2011年に、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世から、チベットの政治に関する全ての権限を譲られました。

センゲ首相はチベットの現状を訴えるために、世界中を訪問して政治家に会っていますが、各地で中国政府による激しい妨害を受けていることも明かしています。中国国内でも情報統制が敷かれ、「言論の自由と民主主義」が侵害されていることに警鐘を鳴らしています。

本欄では、櫻井よしこ氏の新著『チベット自由の闘い』に収録されたセンゲ首相とのインタビューなどを参考に、日本人がチベット問題から学ぶべきことについて考えていきます。