韓国の人気アイドルグループSHINee(シャイニー)のジョンヒョンさんが、27歳という若さで亡くなり、ファンや関係者からは惜しむ声があがっています。

ジョンヒョンさんの死後、友人を介して遺書が公開されました。「僕は体の中から壊れてしまった。じわじわと僕をむしばんでいった憂鬱は結局僕を飲みこみ、僕はそれに勝てなかった」などと綴られており、死因は自殺だったと見られています。

韓国では芸能人が自殺するケースが後を絶ちません。人気女優だったチェ・ジンシルさんは2008年、インターネット上の誹謗中傷が原因で鬱状態になり、自殺。「冬のソナタ」に出演し、日本でも有名だったパク・ヨンハさんも2010年、32歳の若さで自ら命を絶ちました。2015年にはKARAの新メンバー候補だったソジンさんが22歳で自殺、その翌年には俳優のキム・ソンミンさんが43歳で自ら命を絶っています。

2005年から2010年までの5年間で、自殺した韓国の芸能人は14人に上り、深刻な状況です。延世大学行政学院の大学院に在席する女優のパク・ジニさんが2009年に発表した論文では、調査した260人の韓国の芸能人のうち、約40%が軽度あるいは深刻な鬱病を患い、40%以上が自殺を考えたことがあるという結果がでています。

多発している自殺の原因はさまざまですが、芸能人を追い込んでしまう要因の一つとして、事務所や一部のファンが「完璧なタレント」を求めていることが挙げられます。本欄では、韓国の芸能界が抱える闇について考えていきます。