人権派弁護士

滕 彪

プロフィール

(とう・ひょう)1973年生まれ。中国人権活動家、弁護士。現在、アメリカ在住。ニューヨーク大学客員研究員。

ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏が死去したことで、改めて、中国の民主化運動に世界の注目が集まっている。中国共産党が劉氏追悼の動きを封じ込めようとする中、各国に散らばった民主運動家たちは、ますますその使命感を強くしている。

そのうちの一人、中国の人権派弁護士、滕彪(とう・ひょう)氏は、中国当局に2回拘束された経験を持ち、2014年にアメリカに移住した。彼は、2012年に軟禁中の自宅から脱出してアメリカに出国した盲目の人権活動家・陳光誠(ちん・こうせい)氏の支援者でもある。滕氏に、中国の人権状況をめぐる問題についてインタビューを行った。

――今年7月の劉暁波氏の死を、どのように受け止めましたか?

劉暁波氏は、中国民主化のために重要な役割を果たした指導者であり、偉大な思想家でもありました。1989年の天安門事件以前から中国の自由化、民主化を追求し続け、4回も投獄されました。しかし、当局による投獄は、劉暁波氏を国民的英雄にしました。

08憲章の中心的起草者となり、中国に民主主義を広めようとしました。だからこそ劉暁波氏の死は、全世界にとっての事件だったのです。