2月21日付のニューヨーク・タイムズ紙の一面が、サウジアラビアが直面する不安を伝えている。
同国は米国との同盟維持を1945年以来、国の基本方針としてきた上、イランに対抗する意味でも、(イスラエルを除けば)中東における唯一残された親米国である。しかし、オバマ政権が中東の革命の動きを支持したことを受け、親米路線が揺れている。とくにバーレーンのデモについては、不安を持ってみている。
というのも、バーレーンの多数の住民はシーア派であり、石油が採掘されるサウジアラビアの東部地域のシーア派住民は、バーレーンのシーア派住民に親近感を持っているからだ。サウジの東部のシーア派は、サウジの原理主義的な宗教体制に不満を持ってきた。バーレーンの住民に触発されて、サウジアラビア東部の住民がデモを起こし、それが全国に波及する可能性もないわけではない。だが、多くの専門家は、石油産油国であり民衆が比較的豊かであるという条件の違いから、サウジに対する革命の波及の可能性は低いとしている。
またサウジアラビアがバーレーンの王制が打倒されないよう動くはずだと予測している。
サウジアラビアの専門家であるRachel Bronson氏(the Chicago Council on Global Affairs) は、NYT紙の取材に答え「共産主義であってもイランの影響であっても、サウジアラビアは包囲される恐怖感をずっともってきました。バーレーンが、サウジが不安定化するかどうかのティッピング・ポイントになると考えています」と述べている。
現在サウジの人々は、米国がバーレーンに対してどう対応するのか、じっと見守っている状況だ。(HC)
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