北朝鮮・平壌。LMspencer / Shutterstock.com

《本記事のポイント》

  • 米政府は、北朝鮮に対する「最強の」追加制裁の採択を目指している
  • トランプ大統領は、いつ軍事行動に出てもおかしくない強硬姿勢
  • 金正恩委員長は、「無血開城」の決断を

9日は、北朝鮮の建国記念日だ。北朝鮮は昨年のこの日に、5度目の核実験を行った。今年は「新たな大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するのではないか」と憶測が流れている。

こうした緊迫した状況の中、米政府は6日、国連安全保障理事会に北朝鮮への追加制裁として「可能な限り最強の決議案」を提出した。

それは「北朝鮮への原油の全面禁輸」「金正恩委員長らの資産凍結・渡航禁止」「北朝鮮労働者の受け入れ禁止」など、経済封鎖に近い内容だ。アメリカの強い怒りが伝わってくる。

米政府は11日の採択を目指しているが、中国・ロシアの反対に遭い、採択は難しいとされる。中国は北朝鮮に年間50万トンの原油を供給しており、ロシアでは5万3千人の北朝鮮労働者が働く。仮に採択されても、中国やロシアが制裁を着実に実行するかどうかは不透明だ。

軍事行動も選択肢に含まれる

そうした中、トランプ米大統領が北朝鮮への軍事行動に踏み切るか否かに、注目が集まっている。

トランプ氏は7日、北朝鮮への軍事行動は「間違いなく選択肢に含まれる」と述べた。さらに「軍事力を使いたくはないが、あり得ることだ。そうなれば北朝鮮にとって悲劇の日となる」とも指摘した。

米ブルッキングス研究所の中国センター長、ジョナサン・ポラック氏も「私の直感では、北朝鮮のミサイルと核開発能力の進化によって、先制攻撃の可能性は高まっている。(中略)この戦争は信じられないくらい破壊的なものになるだろうが、米国は躊躇しないだろう」と指摘している(8日付東洋経済電子版)。

また、トランプ氏のツイッター分析を行う著名ジャーナリスト、マイク・アレン氏は「トランプ大統領は、金正恩委員長に(核開発から)手を引かせる唯一の方法は、『アメリカは北朝鮮を丸ごと消滅させるつもりだ』と金正恩氏が信じた場合だけだと、はっきり考えている」と述べている(3日付米インターネットメディア・アクシオス)。

米FOXニュースやOANニュース、Newsmaxなどの保守系メディアでも、軍事行動に肯定的な報道が増えており、いつ北朝鮮への軍事作戦があってもおかしくない状況だ。

「無血開城」が最も望ましい未来

トランプ氏の「北朝鮮は炎と怒りに直面する」「対話は答えではない」「北朝鮮にとって悲劇の日となる」という発言や、採択を目指す「最強の決議案」、専門家の「北朝鮮への攻撃は破壊的なものになる」「金正恩氏に、『北朝鮮を丸ごと消滅できる』と思い知らせる」といった分析からは、トランプ政権の本気さがうかがえる。

トランプ氏は金正恩氏に、「国ごと破壊されたいか、それとも降伏するか」の選択を突きつけているといえる。

日本の戦国時代、豊臣秀吉が備中高松城の水攻めをした際、城主の清水宗治は家臣を全員助けるという条件で、切腹を受け入れた。秀吉は宗治を「武士の鑑だ」と称賛し、礼をつくして弔った。今でも、忠義の士として高く評価されている。

金正恩氏は、国のリーダーを名乗るならば、「国民の命が助かるなら、それでよい」と核開発を断念し、無血開城するべきだ。それが、金正恩氏が国の指導者としてできる、最後にして最善のことだろう。

(山本泉)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『緊急守護霊インタビュー 金正恩vs.ドナルド・トランプ』 大川隆法著

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