2015年度の年金、医療、介護などの社会保障給付費が、前年度比2.4%の114兆8596円となり、過去最高を更新したことが分かりました。

社会保障給付費とは、高齢者らに給付される年金、医療費や介護費(自己負担分は除く)の総額です。この額は毎年2兆円前後増えており、一向に減りそうにありません。

一方、その財源となる社会保険料収入は横ばいで、年々、税金で補填する分が増大しています。

一般会計予算のうち、社会保障関連の予算額を見てみると、2009年度が約25兆円だったのに対し、2016年度は約32.5兆円です。歳出全体に占める割合は、2009年の28%に対し、2016年は33%にまで膨らんでいます。(いずれも補正前の予算額で比較)

増大する社会保障給付費は、増税を正当化するための根拠としても使われています。

消費増税をしたらかえって税収は減ってしまうことは、本欄でも繰り返し述べてきました。ただ、今の社会保障の仕組みを維持しようとしたら「何らかの税金や社会保険料など、国民の負担を増やさないといけない」という議論は続くでしょう。

もちろん、社会保障の仕組みをまったくなくしてしまうのも非現実的です。

そこで今回は、社会保障の仕組みを見直す上でヒントとなる3つのデータを示してみます。