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「習近平が覇権主義を加速させる」と予測
次に、中国について。
2010年10月、習近平氏が次期国家主席に内定した。その段階で、同氏は「権力基盤の弱い調整型リーダー」と見られていた。中国脅威論を報じる保守系メディアさえ、「史上最弱」であると報じていたほど。「日本が好き」と公言する習氏に、日中関係改善の期待もかけられた。
しかし同月、大川総裁は講演でこう指摘した。
「 先般、『中国の国家副主席である習近平氏が二〇一二年に国家主席になる』ということが、ほぼ確定しました。(中略)その方針とは、『アジア・太平洋地域において、中国が覇権主義、中華帝国主義を本格化する』というものです 」
実際にしばらくすると、国家主席に就任した習氏は、「トラもハエも叩く」と汚職根絶を掲げて権力を掌握。「中華民族の偉大な復興」と発言してフィリピンやベトナムと衝突し、南シナ海の支配を強めた。マスコミの論調は、「毛沢東以来最も力のある中国の指導者」(FT紙)と一変した。
GDPの「嘘」が中国経済を揺るがす!?
では、今後の中国の行方についてはどうか。
大川総裁は、中国経済の脆弱性についてこう指摘する。
「 中国は、今年の各四半期の経済成長率が6.7パーセントだったと発表しましたが、これは国家計画上の成長率と同じであり、現実の経済ではありえないことです。数字が大幅に操作されており、(共産党員が)習近平にクビにされたくないためなので、信用することはできません。実際には、実体経済の結論として、中国と日本の『経済成長率』と『経済力』には、それほど差はないと思います。ここ2、3年のうちに、それが明らかになるでしょう 」(『 トランプ新大統領で世界はこう動く 』所収)
中国の統計の嘘については、段々と指摘され始めた。その疑念がどこかの時点で大問題になる可能性がある。この嘘の統計と、それに支えられた中国経済への信用が、一気に崩れれば、中国内外の経済が大きく混乱するだろう。
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