2017年9月号記事

自衛隊トリビアを見て、不安を覚えた方もいるだろうが、それが現実だ。

では、日米の元軍人2人は、自衛隊の現状をどう思っているのだろうか。


contents

【インタビュー】守りたいけど - 国民を守れない自衛隊トリビア20 Part.2

【インタビュー】守りたいけど - 国民を守れない自衛隊トリビア20 Part.2


Interview

自衛隊は戦うロボットじゃない

元陸自西部方面総監

用田和仁

(もちだ・かずひと)

1952年、福岡県生まれ。防衛大学校を卒業後、陸上幕僚監部教育訓練部長、統合幕僚監部運用部長、第7師団長などを歴任。元陸将。現在、日本安全保障戦略研究所上席研究員。共著に、『日本と中国、もし戦わば』 (SBクリエイティブ)がある。

まず申し上げたいのは、貴誌7月号の書評で著書を紹介してくださり、ありがとうございます。

最近、中国を訪問しましたが、中国は紛れもなくアメリカを排除し、アジアの覇権をとるつもりです。

北朝鮮についても議論しましたが、日本では、アメリカがいつ攻撃するか、中国はどうするかの話ばかり。日本の防衛力は十分なのかが話題にならないのが不思議で仕方ありません。

アメリカは北朝鮮への武力行使のレッドライン(超えてはならない一線)を、核実験と大陸間弾道ミサイル完成の2点に置いていると考えられます。

ですが、 すでに北朝鮮は、たくさんのミサイルを日本に撃ち込めます。つまり日本の場合、レッドラインはとっくに越え、「存立危機事態」に直面しているのです。

にもかかわらず、国会ではそうした危機感がゼロに等しい。トランプ大統領に言われなくても、 今緊急で防衛費を倍増し、国防を強化しなければ間に合わなくなります。

次ページからのポイント

自衛隊の致命的な欠陥

【インタビュー】日本の弱点は自衛隊ではなく、政治だ / 元アメリカ陸軍大尉 飯柴智亮氏

自衛隊の「働き方改革」