2017年9月号記事
スマホに支配されない時間術
自分を取り戻す読書ライフ
電車に乗れば、右も左もスマホを触る人ばかり。
スマホを活用しているはずが、いつしかスマホに自分が動かされる生活になっていないだろうか。
(編集部 河本晴恵、片岡眞有子)
スマホには依存気味です。気になったら調べちゃうし、ずっと触ってる。1日3時間くらいかな」(50代女性)
「やるべきことがあるのに、面倒くさくてついスマホに手が伸びる。結局何も進まず、睡眠時間は減り、目の疲労と無駄な時間だけが増えます」(20代男性)
スマホ依存を自覚する人の声には、やるせなさがにじむ。スマホは便利な反面、自分の時間を奪われてしまいかねない。
編集部は東京・新橋駅前で、「読書とスマホに関する調査」と題した街頭アンケートを行った。スマホを触っている人に声をかけると、話は聞いてくれるものの、アンケートの趣旨を説明すると断られるケースが続出。もしかすると多くの人が、スマホばかり見ていることに潜在的に罪悪感を持っているのかもしれない。
読書と年収の深い関係
スマホを見ているより読書をした方がいい―。そんなことは、誰もが理解しているだろう。
例えば、読書と年収には関係性があると言われる。調査によれば、世帯年収が高いほど、1カ月間に読む本の平均冊数は多い傾向がある(*)。
(*)財団法人 出版文化産業振興財団「現代人の読書実体調査」より。
世帯年収ごとに調査したところ、最低3冊以上本を読む割合は、世帯年収が「1500万円以上」の層が最も高く、40%ほど。「300~500万円未満」は約20%で最も低かった。
逆に、0冊と回答した割合は、「300~500万円未満」の層が最も高く、30%近く。「1500万円以上」は10%以下と、最も低い。
こうした数字を突きつけられると、焦る気持ちだけが先走る。しかし、もし「本当は、スマホをしたいわけじゃない」「読書をしなきゃ」と思っているのなら、自らの心の声に、耳を傾けてみてはどうだろう。
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