2017年8月号記事

新・過去世物語 人は生まれ変わる

安田善次郎の過去世

安田善次郎

プロフィール

(やすだぜんじろう)1838年~1921年。安田財閥の創設者。座右の銘は「勤倹力行」。富山藩の下級武士の子に生まれ、明治を代表する大富豪へと出世した。安田銀行(現在のみずほフィナンシャルグループ)を中心に数多くの銀行設立に関わる。鉄道や電力など次世代産業を育て、富国強兵を支えた。70行もの銀行を救い、「銀行救済の神様」とも呼ばれる。

人は、何度も生まれ変わりながら、魂を磨き、人格を向上させていく永遠の存在。その生まれ変わりの過程は、一人ひとりの個性によって彩られた物語となる。幸福の科学の霊査で明らかになった著名人の「過去世」をひもとけば、時を超えて輝く魂の性質が見えてくる。(文中敬称略)

富山県に立つ善次郎像。写真:高橋義雄 / PIXTA(ピクスタ)

今からおよそ100年前の1921年、東京市長の後藤新平は、広大な道路や上下水道の整備、港湾修復、大公園の建設からなる8億円規模の「東京大改革」計画をぶちあげた。当時の国家予算の半分に匹敵する壮大な構想に、彼のブレーンたちは「ほら話」としか思わず、まともに取り合わなかった。

しかしその時、一人だけこの構想に賛同した82歳の銀行家がいた。

「8億円では、あまりに少ない……」

そう言って、利率や融資計画を滔々と語り始め、逆に後藤市長を驚かせた人物が、今回の主人公、安田善次郎だ。

この数カ月後、善次郎は暗殺されてしまうが、二人が夢見た構想は、関東大震災後、部分的に実現し、現在の東京の骨組みができあがる。

使わない地下水の問題などで豊洲への市場移転を止め、自民党との対決姿勢を演出して人気取りをする人物が掲げる「東京大改革」とは根本的に異なる。

今回は、未来の東京、そして日本を構想した「銀行王」の転生を追う。

次ページからのポイント

過去世はあの有名武将の弟!?

国造りで神話にも登場していた!?