《本記事のポイント》

  • 週刊誌報道の真実性はあるか
  • マスコミは「正義の味方」か
  • マスコミに必要な「公人」の自覚

9日発売の写真週刊誌「FRYDAY」が、俳優の小出恵介さんが、未成年との飲酒および不適切な関係を持ったことを報じた。小出さんも事実関係を認め、所属事務所は無期限活動停止を発表した。

週刊誌の報道によれば、相手の女性は17歳の未成年。小出さんを含む8人で飲んでいたところ、小出さんに「2人で飲みに行こう」と誘われ、その後、有無を言わさずホテルに連れて行かれ、関係を強制されたという。これが真実ならば、青少年健全育成条例違反の疑いがある行為だ。

週刊誌報道の真実性

だが、記事は女性の証言だけで構成されており、一方的なもの。男女関係の事例は、女性が被害者であることを前提として記事が書かれることが多く、それを批判しにくい空気がある。

冷静に見れば、女性の側にも落ち度がなかったとは言えない。友人の誘いとはいえ、未成年なのにバーに行って強いお酒を飲み、自らの意思で小出さんについていったことは確かだ。小出さんの行為は軽率であり、正当化できるものではないが、女性を一方的に被害者として報じるスタンスには違和感がある。

さらに「FRYDAY」は度々、一方的で客観的な裏づけのない記事を書き、損害賠償を払ってきた"実績"がある。

マスコミは「正義の味方」か

またマスコミは、芸能人の不祥事を暴き、告発することが「正義」であるかのように振舞っているが、果たしてそうなのだろうか。

暴行や脅迫を加えて乱暴したなど、明らかな犯罪が行われたならば別だが、今回の件は、男女関係の行き違いかもしれない件である。相手女性が被害に遭ったというなら、小出さんと直接話をし、責任を取ってもらえばよいことだ。

いち週刊誌に、芸能人を犯罪者扱いし、社会的立場を奪う権利があるとは思えない。

芸能人の社会的影響力は確かに大きいため、芸能人自らが社会的責任と使命を感じて、自らを律することは大切だ。それは本人の徳となり、人気にもつながる。だが、「芸能人は影響力が強い『公人』なのだから、何をされても文句を言うな」とばかり、マスコミが裁判官のごとく芸能人を裁くのは、少し傲慢に過ぎるのではないか。

今回の小出さんの無期限活動停止により、出演予定だった映画やドラマ、CMは、放映中止や撮影し直しなどを強いられている。マスコミは、報道ひとつで一人の人生を大きく左右し、何億、何十億円の損害を生じさせる。このことについて謙虚な念いで受けとめ、マスコミこそ「公人」の自覚を強く持つべきだ。

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