《本記事のポイント》

  • 北朝鮮では、聖書を保持しているだけで逮捕され、拷問で殺されることもある
  • 命の危険と戦いながら、北朝鮮の地下教会を支援して布教活動を続ける信者もいる
  • 宗教は、苦しみから人々を救済する光であり、圧政から国民を守る「最後の砦」

北朝鮮において組織的な宗教活動は、「国家権力に対する潜在的な挑戦」とみなされる。そんな様子について、米国に本拠を持つ北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」(22日付日本語版)が詳細に報じている。以下は、その一部を紹介する。

  • 北朝鮮では、中国を訪れた際に入手した聖書を所持していただけで逮捕され、強制収容所に送られる。

  • 目撃者の話によると、キリスト教の信者が当局に逮捕されると、服を全部脱がせて冷凍室に閉じ込められる「冷凍拷問」や、5日間眠らせずに5人がかりの拷問が行われる。それで多くの信者が殺されているという。

  • 中国に逃れた後、キリスト教徒に助けられて、自身も信者になった脱北者が、布教のために北朝鮮に戻り、地下教会に行くと、信者の多くは高級機関で働いている人々だった。

  • 地下教会を支援していた脱北者は、「聖書には『真理』という言葉があり、それは『光』のようなもの。暗闇に閉ざされた北朝鮮にこの光がさせば、金氏一家がいかにして人民を欺いてきたのか明らかになる。独裁政権を崩壊させる重要な要素の一つが宗教の力だと思う」という主旨のことを語る。

北朝鮮の憲法では「公民は信仰の自由を持つ」と定められているが、実態は大きくかけ離れていると言える。

恐怖と戦いながらも布教活動を続ける人々

一度脱北に成功したのに、再度北朝鮮に戻って、地下教会を支援するキリスト教徒がいること自体に驚く人もいるかもしれない。当局に布教活動が見つかれば、「この世の地獄」が待っていると分かっていても、信仰を手放さない信仰者たち。その姿からは、いかに宗教や信仰が救いの光となるかを感じ取ることができる。

そうした中、大川隆法・幸福の科学総裁が今月20日、金正恩・朝鮮労働党委員長の守護霊霊言を収録。金正恩氏の守護霊は、全世界への「最後のメッセージ」を求められ、次のように語った。

『北朝鮮の「主体思想」をね、やっぱり、主体性がない韓国や日本、台湾にも広げていきたい』と思っておるから。『この思想こそ、マルクス(思想)の次に世界を率いる思想だ』と思う 」(『危機の中の北朝鮮 金正恩の守護霊霊言』所収)

「主体思想」とは、民族の自主性を維持するため、人民は絶対的権威に服従しなければならないとする、北朝鮮の初代国家主席・金日成が唱道した思想。しかし、北朝鮮がしていることは、国民の自由を奪い、基本的人権の侵害に他ならない。国民は金独裁体制を信奉するよう洗脳されており、金正恩政権は、ある意味で"カルト教団"そのものだ。

大川総裁は、著書『政治と宗教の大統合』の中でも、キリスト教の一派の支援団体が、北朝鮮からの脱出を裏から助けていることに触れ、次のように述べている。

専制的、独裁的な軍事国家から、人々を助ける役割を果たすことができるのは、宗教以外にありません。 (中略) 圧政や暴虐によって、政治が国民を不幸にする方向へと向かった場合、国民を守る『最後の砦』は、実は、宗教なので す」

無宗教、無信仰、唯物論が、本物の宗教、本物の信仰に勝つということはあってはならない。命の危険を冒しながら布教活動を続けたキリスト教徒も語るように、金正恩政権の崩壊の鍵を握るのは「宗教の力」ではないだろうか。(小林真由美)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『危機の中の北朝鮮 金正恩の守護霊霊言』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1850

幸福の科学出版 『政治と宗教の大統合』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=864

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