《本記事のポイント》
- トランプ氏は米中首脳会談で「資本主義」を見せ付けた
- "宗教的な制度"を国会でいじる「退位」問題に危機感
- クリスチャンにして日本神話を広めた霊的理由
上智大学名誉教授の渡部昇一氏が、心不全で亡くなった。謹んで哀悼の意を表し、安らかな旅立ちをお祈り申し上げたい。
大川隆法・幸福の科学総裁は、その逝去から約20時間後、渡部氏の霊を呼び、現在の様子や考えを聞いた。本欄では、その内容の一部を紹介する。
トランプ氏は米中首脳会談で「資本主義」を見せ付けた
渡部氏は、肉体を抜けた実感、生前の仕事、後世への期待などについて語り、その上で現在の日本の政治や国際情勢について意見を述べた。
例えば6日に行われた米中首脳会談については、国際情勢への影響はもちろんのこと、フロリダ州にあるトランプ氏の豪華な別荘で行われたことに注目した。
「(トランプ氏は) 政府の借り物で恐る恐るやるんじゃなくて、自分のホテルで豪勢にやっている。すごいじゃないですか。 (中略) 自分の持ち物の中でねえ。習近平だって、そんな人を呼べるほど立派なものを持ってないだろう。そんなの持ったら、共産党の"同志諸君"から吊るし上げを受けるだろうからねえ。 (トランプ氏は) さすが、『資本主義の本家は違うなあ』っていう感じを見せつけた 」
渡部氏は著書などで、国の経済・文化の発展や、自由を守るものとして、「私有財産」というキーワードをよく強調していた。「自分の持ち物」という視点で米中首脳会談を見たとは、なんとも渡部氏らしい。
"宗教"を国会でいじる「退位」問題に危機感
また、日本における心配事として、「天皇陛下の退位」についても語った。
現在、"国会"において、陛下の退位を"認め"たり、退位後に「上皇」と呼ぶことなどを定めた"法律"が、議論されている。しかし、民主主義に基づく法律で天皇制を修正する前例をつくれば、今後も、天皇制がいくらでも法律で変えられ、いずれは廃止になる可能性もある。渡部氏は、その危険性について次のように警鐘を鳴らした。
「(天皇制は) 宗教的な理由によって存続していると考えなきゃいけない。その宗教的なマントの部分を取ったら、四民平等、民主主義、法治国家の制度の中では生き残るのはかなり厳しい。 (中略) なんで皇室が今まで続いてきたか。その意味を、 (関係者は) 理解はなさってない 」
ユダヤ教徒は、ディアスポラによって世界中に散ってもなお、各地の文化に埋没していない。それは、「出エジプト」の際に示された「神の意志」というものが、民族のアイデンティティを保っているためだ。
この国においても、天皇が天皇であり、日本が日本である理由は、突き詰めれば、天照大神をはじめとする神々がルーツであることだ。その神秘的・宗教的な部分を軽視すれば、いざという時に国が存続する根拠がなくなってしまう。
クリスチャンにして日本神話を広めた霊的理由
民族の存続に、歴史への誇りや神話が不可欠と見抜いていた渡部氏は、「古事記」を始めとする日本神話の重要性も、様々な形で訴えてきた。
一方、渡部氏はクリスチャンでもあった。そのことについては、「 日本神道と、キリスト教と、両方に親近性のある思想を持っていて、自分でもなんでこうなのか、よく分からなかった (中略) 『これでいいのかなあ、ちょっと分裂してる』と思った 」と語る。
しかし渡部氏は1991年、大川総裁と雑誌の企画で対談した際、その過去世において、キリスト教とも、日本神道とも、両方に深く関わってきたことを知る。その時点で、クリスチャンでありながら日本神話の普及に努めていることが腑に落ちたという。
「日本の誇り」「資本主義精神」について言論を発信し続け、「自虐史観」「共産主義」と戦い続けてきた渡部昇一氏――。今後も、日本の繁栄のため、私たちをあの世から導いてくれることを祈りたい。
霊言では他にも、次のようなポイントについて語られた。
- 「朝日新聞」に対する心残り
- 「上皇」制度の危険性について
- ロッキード事件における田中角栄叩きの意外な本質
- 学歴主義の「知識」と教養主義の「知恵」との違
- 安倍政権のマスコミ統制について
- 今後のトランプ米大統領の動きをどう読むか
この霊言は、幸福の科学の全国の支部、精舎、拠点において、拝聴できます。
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・幸福の科学サービスセンター
Tel:03-5793-1727 : 火~金/10:00~20:00 土日/10:00~18:00
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