米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が、「トランプ氏の反貿易戦士たち(Trump's Antitrade Warriors)」という社説を、トランプ政権発足直前に掲載した(18日付)。

トランプ政権の商務長官に任命されるウィルバー・ロス氏、国家通商会議のトップに就任予定のピーター・ナヴァロ氏、そして、米通商代表部のトップとなる予定のロバート・ライトハイザー氏。

この3人が保護主義的な貿易政策を主張しており、政権内に自由貿易推進論者がいないことを述べた上で、この保護主義貿易の「三頭政治」がアキレス腱となってトランプ政権を滅ぼすことがないように、共和党議員は見張らなければならない、としている。

また、ロス氏のことを、「貿易が相互に恩恵をもたらすことを信じておらず、ゼロサムゲームだと考えているようだ」と批判。ナヴァロ氏についても、「中国を脅して重商主義的な政策をやめさせるよう、アメリカにけしかけているように見える」と懐疑的な見方をしている。

「自由貿易」と「保護主義的な貿易」って?

日本の新聞もそうだが、今、トランプ氏の保護主義が広がって自由貿易ができなくなり、世界経済が大変なことになってしまうのではないか、という懸念が広がっている。そこで本欄では、そもそも「自由貿易」とは何なのか、トランプ氏の掲げる「保護主義的な貿易」とは何なのかを押さえつつ、なぜトランプ氏が貿易政策を方向転換しようとしているのか考えてみたい。