「天才的」「ユニーク」「繊細」「気難しい」……。

「芸術家」と聞くと、そんなイメージが思い浮かびます。

本欄では、印象派の巨匠ルノワールと、「異端児」と呼ばれた岡本太郎という、大芸術家を支えた女性に焦点を当てます。

「きみのお母さんが食べるのを見るのは実に楽しかったよ」

印象派の巨匠として、日本でもファンが多いルノワール。「幸福の画家」とも呼ばれ、1枚も悲しい絵を書かなかったことで有名な画家です。

「私が好むのは、風景ならばその中で遊びまわりたいと思わせるような絵、女性像なら乳房に触れ、腰に手を回したくなるような絵だ」

このように語り、明るく、幸福感に満ちた情景を描き続けたルノワール。

沢山の作品の中でも、妻アリーヌ・シャリゴをモデルとしたものは数多く存在しています。もともとルノワール作品のモデルを務め、後に妻となり、子供も授かったアリーヌ。決して都会的で洗練された女性ではありませんでしたが、素朴で、生命力にあふれたアリーヌは、ルノワールの作品に多大な影響を与えます。