3日付日本経済新聞によると、日本円で決済する輸出の比重がじわじわと高まっているという。2010年の輸出総額に占める円建ての割合は41.0%となり、統計をさかのぼれる2000年以降の最高を更新。ドル建ての比率は48.9%で、徐々に低下しつつある。

輸出の重心がドル建ての多い北米向けから、円建ての多いアジア向けにシフトしているためで、円建て輸出の割合が高まれば、円高・ドル安が企業収益に与える影響を和らげる効果が期待できる。
同紙上で、三菱総合研究所の後藤康雄主席研究員は「日本企業は円ドル相場に収益を左右されにくくなりつつある」と話す。また、JPモルガン・チェース銀行の佐々木融債券為替調査部長は「日本では対ドルでみた円高の負の面ばかりが強調されがちだが、原材料の輸入コストが低下するなど、企業収益にとってプラスの面もある」と語る。

日本企業にとって、円建て取引には為替変動による損失を防ぐメリットがある。円建て輸出の増加も、進む円高も、円の信用が高まっていることの現れととれる。(Y)

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