猛暑を乗り越え、秋がやってきた。

秋といえば……の答えは人それぞれだろうが、「芸術の秋」とも言われるように、秋は各地で美術展や音楽祭などが催される。

特に音楽はTVCMなどでも耳にすることから、人々にとってより身近に感じる芸術といえるだろう。

音楽を芸術のレベルに高めた人物

ただ、長らく音楽は芸術のひとつとは認められていなかった。「音楽は芸術だ」と言い始めたのはルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンで、彼は音楽を芸術の領域にまで押し上げた立役者の一人と言える。

ベートーベンは民衆に向けた音楽をつくっており、宗教曲は少なかった。だが、彼の信仰心は篤く、さまざまな人へ送った手紙の中には、創造主への信仰と感謝が書き記されていた。音楽を通して神の世界や人生観を表現しようという姿勢は、彼の人生を貫くものだったといえる。

そのベートーベンに影響を与えたのが、音楽の父と呼ばれるヨハン・セバスティアン・バッハだ。昨年、生誕330周年を迎えたが、バッハの作曲した音楽は今でも人々から愛されている。

敬虔なクリスチャンであったバッハは、「音楽は神様からの賜りもの。神に栄光を帰し、隣人に喜びを与える」という、強い信仰心の下で作曲していたという。

自筆の楽譜には「神のみに栄光あれ」を意味するSDG(Soli Deo Gloria)というサインが書かれている。

名曲の条件とは

近年は、斬新さを求めて過激なパフォーマンスを組み込んだ楽曲も多いが、芸術と呼ばれる領域になると神の世界と繋がってくる。

ベートーベンやバッハのような信仰心篤き音楽家たちが「天国の美しさ・素晴らしさを地上に具現化しよう」と意図して作曲したものは、聞くと心が癒され、熱い情熱が湧きあがってくるものだ。そのような曲が、何百年たっても人々から愛され、後世に残る傑作と呼ばれるのだろう。

この秋は、偉大な作曲家たちの音楽を通して、神の世界を垣間見てみてはいかがだろうか?(三)

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