日本の技術力を飛躍させる力とは何かが問われている。

世界経済フォーラム(WEF)が発表した「世界国際競争力ランキング」で日本は138カ国中8位で、昨年の6位から順位を落とした。このほど日本経済新聞が報じた。

「世界国際競争力ランキング」は、「労働市場の効率」「市場規模」「技術革新」「制度」などといった12の分野で評価される。日本が昨年に比べて順位を落とした要因としては、「技術革新」、投資家保護や企業倫理を含む「制度」といった項目での後退が挙げられた。

特に、「技術革新」の分野が8位と後退。日本は2007年から5位を下回ったことがなく、「強み」の部分だった。今回の順位後退で、「日本の技術革新力が衰えつつあるように見える」と指摘された。

今回のランキングでは、中国が、「BRICs」中トップの28位で、インドが39位と前回に比べて16位と順位を上げて躍進するなど、新興国の成長も著しい。

こういった状況の中で、日本がより「技術革新力」を向上させるには何が必要なのだろうか。

新しいフィールドへのチャレンジが技術を変える

その方法の一つが「宇宙開発」に力を入れることだ。

これまでに宇宙技術が民間に応用された代表的なものとして、GPSシステムや天気予報などがある。いずれも、宇宙空間に飛ばした人工衛星を介してのもので、カーナビゲーションシステムや天気情報アプリの開発などに発展している。こうした人工衛星を使った産業は、宇宙開発が行われなければ生まれなかった。

宇宙関連技術には高い性能・高い信頼性が必要とされる。そのため、おのずと世界最先端のものが開発されるようになり、その中で、ロボットや発電システムなど、様々な分野の技術革新が起きた。民間の航空や防衛といった様々な分野に応用できる。技術革新が起こると共に、多くの分野に富をもたらされることとなり、経済効果は計り知れない。

宇宙開発は一例だが、その他、鉄道、航空、エネルギーなどの分野も、新しく基幹産業となり得る。こうした分野に官民連携して取り組むことが、日本がもう一段「技術大国」として世界をリードしていくことにつながるのではないか。(手)

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幸福の科学出版 「『未来産業学』とは何か」 大川隆法著

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