日米中や東アジア諸国連合(ASEAN)など、18カ国が参加する東アジア首脳会議が8日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた。

会議では、南シナ海問題についての日米と中国の対立姿勢が鮮明になったものの、ASEAN諸国の多くは、「様子見」状態だった。

ASEAN諸国は中国に強く言えず……

安倍晋三首相とアメリカのオバマ大統領は、中国の李克強首相に対し、中国の南シナ海の領有権主張をしりぞけた仲裁裁判所の判決を受け入れるよう求めた。これに対し、李首相は、当事国同士の話し合いで領有権問題を解決すると繰り返した。

ASEANのほとんどの参加国は、中国に対し国際法の順守を求めたものの、踏み込んだ発言は避けた。その背景には、東アジア首脳会議に先立ち、中国がASEAN諸国に経済協力を約束したことがあるようだ。

こうした取り込みが功を奏し、日米の抑え込みに成功。仲裁裁判に中国を提訴した当事国であるフィリピンのドゥテルテ大統領ですら、本会議で南シナ海問題について言及しなかったという。

このままでは、南シナ海が中国の「内海」になりかねない。米ランド研究所も昨年、今後15年間で、アジアにおけるアメリカ軍の優勢は下がると報告している。ASEAN諸国は「"大中華帝国"の一部に吸収されても仕方ない」「中国についていき、中国の繁栄を享受しよう」と思っているのかもしれない。

「自由」「民主主義」という価値観の大切さ

だが、中国には、「信教の自由」「言論・出版の自由」などの自由がないことを忘れてはならない。大川隆法・幸福の科学総裁は、次のように指摘している。

「私は、常々、『自由の大国をつくれ』と説いていますが、自由というのは、本当に大事な価値です。自由なくして平等だけを求めると、強力かつ強大な国家権力によって、自由が簡単に押しつぶされてしまうことがあるので、『自由の確保』は大事なのです。

そして、自由のもとになるのは信仰です。信教の自由がなければ、言論の自由も出版の自由も、何一つ守ることはできません。信教の自由とは、神仏が『人間の尊厳』を守ろうとしておられる部分に当たる、最も大事なものなのです」(『国を守る宗教の力』)

自由と民主主義に価値を見出す国々は、中国にこれらの価値観の大切さを教える必要がある。中国でこうした価値観を広めようとすると、現時点では思想犯として刑務所に入ることになるが、そうした状況は解消していかなければならない。

また、自由と民主主義の価値観がなければ、経済的な繁栄は長くは続かないだろう。一時的な繁栄を求めるのでなく、「自由の大切さ」を伝え、中国国民を啓蒙する必要がある。そのためにはまず、国民の自由を守るよう、日米がASEAN諸国を説得することから始まる。

(山本泉)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『国を守る宗教の力』 大川隆法著

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