地方自治体の"粉飾決算2300億円" 経営失敗のツケを税金で補てんする手口が横行

 

全国の85の自治体が、自ら出資する公益社団法人や第三セクターなどの経営悪化を、一時的にしのぐため、それらの出資法人の会計操作を行っていることが分かった。その額は、総額約2336億円に上る。朝日新聞がこのほど報じた。

 

会計操作は、「オーバーナイト」と「単コロ」という2つの手法で行われている。

 

「オーバーナイト」とは、出資法人などが、銀行から資金を借りて、自治体から借りた資金を全額返済。翌年度になると、自治体は再び法人に資金を貸し出し、法人はそれをもとに銀行に返済するというやり方だ。この手法は、年度末に行われることが多く、利子も発生する。

 

もう一つの「単コロ」とは、自治体が決算を最終的に確定させる「出納整理期間」を利用。翌年度の財源を使って、年度末に返済があったかのように会計を処理する。

 

こうした実態に対し、総務省は自治体に是正を求めているが、いずれのやり方も違法ではないという。

 

 

民間企業なら大きな不祥事なのに……

財政破綻の防止を目的とした「地方財政健全化法」が施行されてから約7年が経っても、杜撰(ずさん)な会計処理が行われているのは驚くばかりだ。

 

財政破綻した北海道夕張市は、今回判明した手法に手を染め、財政逼迫を招いたと言われている。その夕張市を指導すべき北海道も会計操作を行っていたことが発覚したのだから、地方財政問題の根は深い。

 

民間企業であれば、こうした会計処理は、虚偽の決算報告である「粉飾決算」に当たり、経営者のクビが飛ぶほどの重大な問題だ。自治体には、住民が払う税金の重さに対する感覚が薄すぎるのではないか。

 

 

自治体は粉飾決算をしない?

粉飾決算については、一部の自治体が"興味深い"見方を示している。例えば、吹田市内部統制に関する指針(2014年1月)には、こう書かれている。

 

「地方自治体においては、営利企業におけるような粉飾決算といった行為に対する動機は持ち得ないものの、ヒューマンエラーやその他の要因により、様々なリスクを持つ事象が起こる可能性があります」

 

非営利団体の自治体が、意図的に粉飾決算をすることはない、と言わんばかりだ。しかし、今回の例で分かるように、自治体は、現実に「出資法人の経営の失敗を隠すため」に税金を使っていた。これを粉飾決算と言わずして何と言えよう。

 

税金を納めている国民の側も、税金がどのように正しく使われているか問題意識を強く持つべきだろう。このようなことが改められない限り、際限のない増税が続き、「地方創生」はお題目に終わる。

(山本慧)

 

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