日本政府が防衛省による日本独自の研究で、レールガンを本格的に開発することを決めた。2017年度予算の防衛省の概算要求に経費が盛り込まれることになる。日本政府は尖閣諸島などの離島防空強化のために改良型地対空ミサイルの配備も来年度の予算に組み込む。尖閣沖で挑発を続ける中国など、周辺の軍事大国に対抗するためとみられる。

高性能技術を持つレールガン

レールガンとは、電磁誘導によって物体を加速して打ち出す最新兵器のこと。現在米軍で開発中のものは1分間で10発の弾を撃つことができ、時速は約7240キロ(秒速約2キロ)で、射程は約200キロである。米軍は、将来的には、射程距離を360キロにまで上げていくことを目標にしている。ミサイルよりも1発あたりのコストが低く、ミサイル防衛にも使えるということで、注目を集めている。

抑止力は有効利用するべき

中国や北朝鮮の脅威が迫っている今、防衛兵器の開発は、国防上重要だ。しかし、兵器を揃えたとしても、それを有効的に使うことができなければ、宝の持ち腐れになってしまう。

実際、北朝鮮のミサイルに対して、日本政府は本年5月に自衛隊に迎撃体制を取らせる「破壊措置命令」を発令したが、現在の日本のミサイル防衛システムでは、ミサイルを確実に破壊できる保障はない。

日本政府は、戦後の自虐史観を引きずったまま謝罪外交を続けてしまっている。多くの閣僚が他国の批判を恐れ、靖国参拝も満足にできていない状況だ。現在の日本政府が、仮にミサイル攻撃を受けたとして、その破壊を決断できるかどうかも疑問である。

国防のための兵器を持つことは、抑止力につながる。相手に攻撃させない力を持ちつつ、有事の際には国民を守るための判断ができるような国を作り上げることが大切だ。(志)

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