2016年10月号記事
幸福実現党 青年局部長
HS政経塾部長
吉井 としみつ
プロフィール
(よしい・としみつ)1982年東京都生まれ。私立成城高校、慶應義塾大学理工学部、アメリカン大学インターナショナルサーティフィケイト取得。幸福の科学出版局、財務局、活動推進局、学生局、人事局、支部長などを経て、HS政経塾第1期卒塾生。日本証券アナリスト協会 検定会員(CMAR)、二児の父。
感じる政治学
一億稼ぐより、一億救う。
「なぜ人は政治家を目指すのか」。
そこに、「政治とは何か」を考えるヒントがある。
「内定のお話ですが、辞退させてください」
現在、幸福実現党の青年局部長を務める吉井としみつ氏(34歳)。大学4年の秋、外資系 金融大手・ゴールドマン・サックス東京オフィスで、頭を下げた。
エリート中のエリートへの切符だった。内定式では役員が「42歳まで稼いで稼いで、それから慈善活動でもすればいい」と語る。そんな生き方に、青年の心が踊らないはずがなかった。
一転、人生相談の日々へ
その切符を、彼は捨てた。
「はっきり言って給料は高くて、億レベルで稼ぐ同期もいます。でも金融業が成り立つのは、実際に事業を起こしたり、必死で働く人がいてこそ。彼らを直接助けられる仕事に、全人生を賭けたかった」
彼が選んだ仕事は、人と触れ合う、それも人の「心」を扱う仕事―宗教家だった。幸福の科学への奉職を決めたのだ。
「人の心が明るくなれば、仕事にも精が出る。心に夢が持てれば、新たな事業も生まれる。金融よりも、本質的な“何か"を生み出せると思った」
幸福の科学職員の仕事の中心は、人生相談に乗ることだった。
仕事の挫折、家庭内の不和、介護の悩み―。心を見つめることで、様々な悩みが解決されていく様子を、無数に目にした。金融業界で何億稼いでも得られなかったであろう、やりがいがあった。
失われた20年分の可能性
一方、彼には、こんな現実も見えてきた。
「皆、『失われた20年』の中で、希望が見えなくなっている。仕事のやりがい、子育て、老後の不安……」
二児の父としても、このままの日本を、子供に遺していいはずがない―。彼は、政治家を志すことを決める。HS政経塾の門を叩き、アメリカの大学やシンクタンクでも、金融論、財政論、外交論などを学んだ。衆院選挙にも2回出馬した。
「年金は、今のままではもらえなくなります」
吉井氏はこう主張する。
「実は今の年金制度は、経済成長を前提に設計されています。富が生まれなければ、困っている人は救えない」
土台である経済が揺らいでいるにもかかわらず、政府は増税でしのごうとする。そしてまた経済を弱らせる。土台を崩しながら、柱の補修をしているのだ。
その経済成長の可能性について、吉井氏はこう意気込む。
「この20年間で、普通の先進国はGDPが2倍に増えています。日本の低成長は、どう考えてもおかしい。高い税金と規制が、1億2千万人の可能性を縛っています。
日本の『失われた20年』分のポテンシャルを引き出したい」