2016年10月号記事

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

特別編

「障害があっても魂は健全」を常識に

緊急対談 釈量子党首 × 諏訪裕子理事長
「相模原事件を考える」

幸福実現党 党首

釈 量子

プロフィール

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。 公式ブログ shaku-ryoko.net/

一般社団法人 ユー・アー・エンゼル理事長

諏訪 裕子

プロフィール

(すわ・ひろこ) 1963年、新潟県生まれ。県立長岡高等学校卒。知的障害を持つ長男を育てた経験から、障害者支援に携わる。2015年6月、一般社団法人ユー・アー・エンゼル理事長に就任。 you-are-angel.org/

諏訪理事長(以下、諏): 重い障害の方を狙った事件が起きたと聞いた時は、何とも言えない、とても嫌な感じを受け、「ユー・アー・エンゼル(以下、ユーアー)として何かしなければならないことがあるのではないか」と考えました。

釈党首(以下、釈): 容疑者には「ヒトラーの思想が降りてきた」という発言があったということですが、やはり、人間を良くする思想もあれば悪くする思想もあることに改めて衝撃を受けました。

諏: 今回の事件では、「容疑者の行動は間違っていたけど、『重度の障害者は周りを苦しめるだけ』『税金で生かす意味があるのか』などの主張には共感できる」といった書き込みが、ネット上には結構あったようです。それで思い出されるのは、石原慎太郎氏が都知事だった時代、重度障害者の施設に行って「ああいう人ってのは人格があるのかね」と発言してバッシングを受けたことでした。この「重度障害者に人格はあるのか」という疑問に答えが出されないまま、社会の底流を流れていることに強い問題意識を感じております。

釈: 事件の半年前に、容疑者は「重度の障害者を安楽死させる法律をつくれ」と衆院議長に手紙を書いたということですが、「障害者に人格がない」としたら、どんな法律ができてしまうかが分かると思います。こうした「人間観」は、法律を作る上でも大きく影響してきます。

障害があっても、魂は健全

諏: ちなみに、ユーアーでは「障害があっても、魂は健全」と掲げておりまして、「人格はあって当然」と考えています。そして、障害とは、「肉体に宿っている魂と、肉体とが連動して動かないことだ」と考え、活動しております。

今の医学では、重度障害のお子さんだと、「知能は2、3歳のまま成長しない」などと診断されることが多いようですが、そうした認識をくつがえす事例がユーアーにはたくさんあります。

あらゆる方が言葉を知っていますし、成人している方の大半はニュースを聞いて一定の考えを持っていることがほとんどです。医学や教育学の決めつけで、親も子も支援者も、"悪い魔法"にかかったようになり、障害者の能力を小さく見る方向に引っ張られていくと感じています。

釈: ユーアーの実践活動でも、少し手助けするだけで文字が書けたり、言葉を綴れたり、いろいろなことができるようになっていると伺いました。今までの福祉の常識にとらわれず、白紙の目で障害者の可能性を見ていらっしゃっています。

「あなたは天使!」の意味

釈: 幸福実現党では大川隆法・党総裁から新・日本国憲法試案が出されています。前文に「神の子、仏の子としての本質を人間の尊厳の根拠と定め」という言葉がありまして、それが私たちの目指す国造りの根幹です。

「人間の魂は神の分け御霊」という人間観を持つことが、今回のような悲惨な事件の再発を防ぐとともに、障害者やその周りの方々が幸福に生きるために必要だと考えています。

「ユーアー」の運動の力強さは、障害のある子供たちに手を差し伸べる、というだけでなく、「ユー・アー・エンゼル」、あなたたちは天使である、と言い切っているところにあるのでしょうね。

諏: 事件の容疑者は「障害者や家族は不幸だ」と言っていました。けれども、実際には、ご家族や、周りの人たちに、幸福を振りまいている障害のある子供たちもたくさんいます。その事実を常識にしていきたいです。

「人間は神の子・仏の子である」という考え方に基づく憲法が制定されれば、障害者支援のあり方も変わってきます。ぜひ、よろしくお願いいたします。

釈: 「ユー・アー・エンゼル!」運動は世界に広げるべき素晴らしい運動だと思います。政治としてできることがあれば、ぜひ声をお寄せください。今後も、人間の魂の尊厳を基にした政策を打ち出してまいります。