消費増税を主張する人は、「年金財源を確保する」ことを理由のひとつに挙げます。
しかし、日本の公的年金制度は破綻寸前であり、年金の不足分は、数%の消費増税だけではとうてい賄えません。
本誌2016年7月号でも紹介しましたが、厚生労働省の試算によると、2014年度末時点で、本来1180兆円あるべき厚生年金と国民年金を合わせた積立金のうち1千兆円がなくなっています。
積立金がなくなっている理由は、積立金の運用失敗によって減ってしまったり、グリーンピアなど採算の取れない“ハコモノ"に使ってしまったりということもあります。しかし、最も大きな原因は、「積立方式」から「賦課方式」に制度が変わったことです。
そもそも、この二つの方式はどのようなもので、いつから変わってしまったのでしょう。