写真: 時事(提供元:理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 細胞リプログラミング研究ユニット)
2016年8月号記事
海外では「あります!」
STAP細胞の逆襲
日本ではSTAP細胞の研究がつぶされたが、このほど、海外の研究チームが「STAP現象」の再現に成功した。小保方晴子氏も出版した手記で「STAP細胞はある」と主張している。いま、「世紀の大発見」の"逆襲"が始まっている。
(編集部 山下格史、河本晴恵、山本泉)
そもそも解説 STAP細胞って何?
体の細胞を酸などに浸し、いろいろな器官になれる万能細胞に変化したものを「STAP細胞」という。ケガや病気に冒された器官を、自分の細胞からつくり直す新しい再生医療技術として期待されていた。
万能細胞には他に、ES細胞やiPS細胞がある。
ES細胞は受精卵からつくるために倫理的な問題があり、ヒトへの応用が難しいとされてきた。iPS細胞は、細胞に特定の遺伝子を導入することや特殊な薬品によってつくられる。倫理問題が解決し、実際の治療での使用が始まった。しかし、STAP細胞は、従来の2つの方法に比べると極めてシンプルな方法でつくることができ、2014年初めに「世紀の大発見」と注目を浴びた。
STAP研究への攻撃と反撃
2013年12月
英科学誌「ネイチャー」がSTAP論文を受理
2014年1月
小保方氏らが「STAP細胞」発見の記者会見
2月
小保方氏の博士論文とネイチャーに受理された論文に疑惑が浮上
4月
理研の調査委員会が論文は「捏造と改ざん」と発表
小保方氏が釈明会見で「STAP細胞はあります」と改めて主張
6月
小保方氏らがネイチャーの論文の撤回に同意
9月~11月
小保方氏が検証実験に参加
8月
NHKの偏向報道の直後、論文共著者の笹井芳樹氏が自殺
12月
小保方氏が理研に辞表を提出
検証実験に関する記者会見で理研が「STAP現象を再現できなかった」と説明
2015年11月
早稲田大学が小保方氏の博士号の取り消しを確定
2016年1月
小保方氏が手記『あの日』を出版。検証実験では、自身が担当したSTAP細胞の作製は成功していたことを明かす
2月
論文共著者のバカンティ氏が「(STAP細胞は)正しいと確信したまま墓場に行く」と発言
3月
独ハイデルベルク大学の研究チームがSTAP論文に基づいた論文を発表
小保方氏がSTAP細胞の作製方法を提供する英語のホームページ「STAP HOPE PAGE」を開設
STAP現象を再現したドイツの大学
検証実験でSTAP現象の再現は成功していた!
STAP研究がつぶされた本当の理由
新しいものを生み出すことに価値を置く日本に
続きはザ・リバティ2016年8月号でもお読みいただけます。