イギリスは今、EU(欧州連合)を離脱するかどうかの瀬戸際に立っています。離脱か残留かを問う国民投票は6月23日に行われます。

昨年夏からは、離脱派が勢いを増していました。しかし16日、残留派の女性下院議員のジョー・コックス氏が銃で撃たれ死亡するという衝撃的な事件が起き、その後の世論調査では、残留派が離脱派を3ポイントリードしています(18日付の英大衆紙「メール・オン・サンデー」)。

日本ではそれほど関心が持たれていませんが、イギリスがEUを離脱すれば、日本にも大きな影響があります。

なぜこれほど紛糾しているのか。今回は、イギリスのEU離脱派と残留派、それぞれの主張を整理してみましょう。

EU離脱派の主張(1)――主権国家の地位を回復したい