地震動予測地図は「予測」できても「予知」できない

地震動予測地図は「予測」できても「予知」できない

 

政府の地震調査委員会は10日、2016年版「全国地震動予測地図」を発表した。

 

この地図は、今年1月1日時点で、今後30年以内に、建物倒壊が始まるとされる震度6弱以上の強い揺れに見舞われる確率を示したもの。調査委員会は、前回の2014年度版を、その後の調査で得られた新たな知見に基づいて更新した。 

 

地図によると、前回と比べて南海トラフ沿いの太平洋側で、確率が最大2ポイント上がっている。長野県安曇野市では、断層帯の予測見直しにより、最も確率が上がり、10.4ポイント増の29.5%と計算されている。首都圏の県庁所在地では、千葉市が85%、横浜市と水戸市が81%と高い。

 

一方で、日本海側は太平洋側に比べて、全体的に確率が低い。しかし、地震調査委員会の平田直委員長は「数字を見た時に自分に関係する所がほかより少なくて安心とは思っていただきたくない」と警鐘を鳴らしている(11日付読売新聞)。

 

この平田氏の発言は、4月の熊本地震を受けてのものだ。

 

2014年度版では、熊本市内の確率が7.8%と極めて低く、熊本地震は地震学者の予想外だった。2016年度版では、大きな地震で溜まっていたエネルギーが解放されたと考えたのか、確率は7.6%に下げられている。

 

 

「予測」できても「予知」できない

ただ、そもそも地震の発生を確率で論じること自体、意味がない。

 

東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授は、本誌2015年8月号特集「なぜ地震・噴火が続くのか」の中で、こう語っている。

 

「『数年後か数百年後に、○○方面でどのくらいの確率で地震が起きる』など、一定の幅を持たせた『予測』は可能です。しかし、『○○県でM7程度の地震が○月○日に起こる』というピンポイントの『予知』は、現代科学の延長上にある研究では極めて難しいと言えます」

 

事実、今回の熊本地震以外にも、阪神大震災、東日本大震災など、地震学者が意図していなかった場所で、大地震が起きている。

 

 

ものが壊れる時、普通の物理法則は使えない

自然界のどういう物理現象が地震につながるのかなど、地震発生のメカニズムもはっきりと分かっていない。

 

地球物理学者で武蔵野学院大学の特任教授を務める、島村英紀氏は、総合オピニオンサイトiRonnaに寄稿したコラムの中で、ゴムを例に次のように語る。

 

「引っ張っていったゴムひもの、『どこ』が、『いつ』切れるかを予測することは、現代の科学では不可能なことなのだ。(中略)つまり、ものが壊れるときには、普通の物理学の法則は使えない」

 

これは、ものが壊れた後の分析は可能だが、ものが壊れる現象そのものの解明は難しいということを意味している。地震に当てはめると、地震でできた断層を分析できても、地震がどこでどのくらいの規模で起きるか、予知するのは難しいということだ。

 

それにもかかわらず、大地震に対する予知、防災計画、避難などについて定めた、大規模地震対策特別措置法は、地震を予知できるという前提でつくられ、その前提は修正されていない。

 

過去、本欄でも指摘してきたように、地震や津波、噴火などは、単なる自然現象ではなく、古来から神仏の意思が込められている。あらゆる地震を予知できるという、神仏に対する謙虚さを欠いた考え方は、今後の地震学の発展を妨げる原因になりかねない。

(冨野勝寛)

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『震災復興への道』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『熊本震度7の神意と警告』 大川隆法著

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タグ: 地震  予測    予知  調査委員会  地震学者  津波  噴火  

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