井の頭自然文化園で飼育されていた国内最高齢のアジアゾウ、はな子(69歳)が死亡した。動物園の象舎の前には献花台が設置され、多くの人がその死を悼み、花を手向けた。

はな子の生涯

はな子は、戦後初めて日本に来たゾウ。「日本の子どもたちにゾウを見せたい」との意向でタイ政府から贈られ、日本とタイの友好のシンボルとして歓迎された。

ところが、泥酔して夜中に象舎に入り込んだ男性や飼育員を、はな子が踏み殺してしまう事件が起こる。「殺人ゾウ」の烙印を押されたはな子は、世間から非難され、狭い象舎の中、前足を鎖で繋がれた状態で二か月間も閉じ込められてしまう。はな子はストレスでやせ細り、一時は凶暴化して人間不信に陥ってしまった。

そんな時、はな子は一人の飼育員と出会う。飼育員は、はな子から鎖を外し、つきっきりで世話をした。最初こそ敵意をむき出しにしていたはな子だったが、飼育員の愛の思いが届き、長い年月をかけて、少しずつ心を開いていく。

こうしてかつての温厚さを取り戻したはな子は、やがて動物園の人気者となり、惜しまれながらこの世を去ったのである。

動物の魂の霊的真実

苦しい生涯をたどりながらも、結果として多くの人に愛されたはな子。死後は一体どのような世界に向かうのかと、気になる人もいるかもしれない。

「人間の本質は魂である」という宗教的真実は本欄でも何度か伝えてきたが、実は動物にも魂がある。さらに人間と同じように動物も転生輪廻を繰り返し、人間のために尽くし、愛された動物は人間として生まれ変わるケースもある。

なお、動物霊は人間よりも転生輪廻の周期が早く、通常で一年以内、最長でも十年ほどで生まれ変わるという。動物の供養をすることは構わないが、長期間供養をすると、動物たちも「ここにいなくてはいけないのだ」と勘違いをしてしまい、次の転生の妨げになる可能性がある。

また、動物にも喜怒哀楽の感情があるため、死後、地獄霊になることも有り得る。はな子が殺人ゾウの扱いを受けたまま死んでしまったら、地獄に落ちて迷ってしまっていたかもしれない。

多くの人に愛されたはな子だからこそ、人々が悲しみすぎると、魂がこの世に留まり続けてしまうかもしれない。戦後の日本人に幸せを与えたはな子が、安らかに死後の世界に行けるよう、感謝の気持ちを込めてあの世に送ってあげたいものだ。(志)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『霊的世界のほんとうの話。』 大川隆法著

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