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米大統領選の共和党候補者指名争いで、テッド・クルーズ氏とジョン・ケーシック氏がドナルド・トランプ氏の指名を阻止するため、今後の予備選を協力して戦うことを明らかにした。

今後行われるインディアナ州、オレゴン州、ニューメキシコ州の3州の予備選で、クルーズ氏はインディアナ州、ケーシック氏はオレゴン州とニューメキシコ州での戦いに集中し、互いの票を奪わないことで合意した。

これに対し、トランプ氏は25日、「2人がいかに弱く、哀れであるかをさらした」と批判。「ビジネスの世界で談合すれば、刑務所行きだ。政治はインチキがまかり通るから、談合が許される」と指摘した。

この動きの背景には、トランプ氏が19日に行われたニューヨーク州での予備選挙で得票率60%を獲得し、圧勝したことがある。米ワシントン・ポスト紙も、「トランプ氏の思ったことをそのまま言う性格は、ニューヨーカーたちの胸に響き、特に白人の労働者層の支持を得たことが勝利につながった。そして選挙戦を通じて共和党員に加えて無党派層や民主党嫌いの人にもアピールした」と評価した。

7月中旬に行われる共和党全国大会で、党の候補が指名されるが、トランプ陣営は、党大会の前に過半数の代議員を獲得することを目指している。今回の動きは、それを阻止するための"必死の策"だ。

ニューヨークで"隠れた徳"を積んできた

ニューヨーク州でトランプ氏が圧勝したのは、トランプ氏の主張がニューヨーク市民に広く受け入れられていることに加え、トランプ氏がこれまでニューヨークで行ってきたことを市民が評価したという点も見過ごせない。

トランプ氏は、ニューヨークにトランプ・タワーやトランプ・ワールド・タワーなどの超一流の高層ビルを建設し、世界の中心としてニューヨークの名を高めた。またニューヨークの湾岸地区の再開発を成功させ、市民らに憩いの場を提供したりてきた。

その他にも、多くの人に「お金持ちになるための方法」を教えるために、TV番組に出演したり、慈善活動で多額の寄付も行ってきた。トランプ氏が積んできたさまざまな形の徳を、ニューヨーカーたちは感じていたといえる。

"強いアメリカ"復活のためには、トランプ氏の刺激が必要?

大川隆法・幸福の科学総裁は、トランプ氏と田中角栄の共通点について指摘しつつ、次のように述べている。

彼は、不動産王で金儲けがうまいですし、さらには交渉の達人でもあります。(中略)アメリカとしても、『強いアメリカ』を取り返したければ、そういう人を出してこざるをえない感じがある(中略)。『ビジネスマンならやるようなことを、キチッとやってくれ』というような意見もあって、(それが)『トランプ人気』になっている 」(『天才の復活 田中角栄の霊言』)

「強いアメリカ」の復活を標榜するトランプ氏を、アメリカ国民は大統領として選ぶのか。そして経営者的な視点を持つ大統領が誕生した場合、アメリカや日本、世界はどうなるのか。新たな文明実験が行われようとしている。

(山本泉)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『守護霊インタビュー ドナルド・トランプ アメリカ復活への戦略』 大川隆法著

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