約40年間にわたり領土問題が未解決のアフリカ西部の西サハラ。この地をめぐる、ある人物の発言が混乱を引き起こしている。3月30日付産経新聞電子版が報じた。

潘氏の発言にモロッコは激怒

発言者は、国連の潘基文(バン・ギムン)事務総長。事の発端は潘氏が3月上旬に、モロッコの隣国であるアルジェリアの西サハラ難民キャンプを訪れた時にさかのぼる。その際、潘氏は、西サハラはモロッコによって占領されていると発言し、モロッコ側から「中立性と公平さを放棄した」として、批判されている。

モロッコ国民の怒りは並大抵ではない。

首都ラバトでは100万人規模の国民が集まり、潘氏を批判するデモを行った。国レベルでも、西サハラに展開中のPKO要員84人を撤収するよう国連に要求し、その一部はすでに撤収した。今後、モロッコはPKOへの拠出約3億4000万円を凍結し、同国が世界各地に派遣しているPKO要員約2300人についても、全員を引き上げる方針を示したという。

記事によると、潘氏は当初、「個人攻撃に対して怒りを覚えている」と強く抗議したが、こうした事態に国連は焦ったのか、国連のステファン・ドゥジャリク報道官は、「誤解が生じ、われわれは遺憾に思っている。潘氏は西サハラ問題で、どちら側にもくみしない」などと釈明した。ただ潘氏自身は「占領」発言を撤回していない。

過去にも歴史問題で韓国政府の肩を持つ発言も

潘氏の中立性を欠いた発言は、今に始まったわけではない。

2013年に訪韓した際には、韓国外務省で行われた記者会見で次のように語っている。

「日本の政治指導者は極めて深く自らを省みて、国際的な未来を見通すビジョンが必要だ。正しい歴史認識を持ってこそ、周辺の国々から尊敬と信頼を受けられるのではないか」

国連憲章第100条では、事務総長および職員が、特定の政府の立場を反映するような行動を避けるよう定めている。この発言は、日本と歴史問題で対立する、韓国の主張を支持しているととられかねず、日本政府などから批判されたのも仕方がない。

「日本人の存在は、世界の大災害」

一連の発言から、特定の国の主張に偏った考えを持っていることが伺える潘氏。本心では何を考えているのか。

2013年の上述の記者会見から2カ月後、大川隆法・幸福の科学総裁は潘氏の守護霊を招霊し、霊言を行った(『潘基文国連事務総長の守護霊インタビュー』所収)。その中で、潘氏の守護霊は日本への見方や野心について、こう語っている。

「日本人の存在自体が、世界の大災害だ!」「私の次の使命? そりゃあ、韓国の大統領ですよ」

守護霊の一連の発言は、韓国に肩入れし、反日的な発言を続ける地上の本人の言動と一致する。

そもそも国連自体も第二次大戦の戦勝国がつくったものであり、現実の国際情勢を見据えた中立的な組織ではない。今回の占領発言を機に、国連事務総長の資質についての議論を含め、国連改革を進めていく必要がある。

(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『潘基文国連事務総長の守護霊インタビュー』 大川隆法著

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