2016年5月号記事

編集長コラム Monthly Column 番外編

アンパンマンのジャーナリズム!?

安保法制や原発報道など、世論が真っ二つに割れることの多い昨今。

本誌編集長・綾織次郎がジャーナリズムについて書いた『愛と勇気のジャーナリズム』がこのほど発刊された。著者に編集部員がその内容を聞いた。

子供たちに大人気のアンパンマン。横浜や神戸などにテーマパークもある。

― 題に「愛と勇気」とあって、アンパンマンの歌みたいですね。

綾織編集長(以下、綾) 「そうだ、おそれないでみんなのために、愛と勇気だけがともだちさ」という歌ですね。こう続きます。「ああ、アンパンマン、やさしい君は、いけ! みんなの夢まもるため」。ジャーナリストを志す人は誰でも、こういう理想は持っているんですよね。ペン1本でみんなの夢を守りたいという。

― え? 本当にアンパンマンなんですか。

そうかもしれません(笑)。「愛と勇気だけがともだちさ」というのは、一見、さびしいですよね。友達が誰もいないことになってしまう。でもそこに込められた意味もあるそうです。

戦うときに人を巻き添えにしたくない。一人で立ち向かって、愛と勇気で戦う。この歌詞を作った、やなせたかしさんは、そういう意味を込めたそうです。

ジャーナリストもアンパンマン的な気概が必要ですよね。「愛と勇気」というのは、ジャーナリズムも宗教的観点から理解していこうという意味です。

正義の「ものさし」はある

― 第一章は「正義を探求するジャーナリズム」ですが、原発の報道などを見ていると、正しいと思って訴えているものが間違っている場合もあります。

大川隆法・幸福の科学総裁が『正義の法』に書いているように、正義には「ものさし」があります。

それを第一章で整理しており、一つめは、神仏の子である人間としての自覚が高まるかどうか。

二つめは、正しさの適用範囲が適正かどうか。例えば、左翼的な人たちが主張しているのは弱い立場の人を救うのが正義だということです。しかし、それを全体に当てはめたときに、うまくいかなくなることがある。

安保法制反対デモを行った人たちが、戦争したくない、人を殺したくないという信条を持つことは理解できるんですが、それを日本国民全員でやったらどうなりますかということです。

そして三つめは、人類全員の幸福につながるかどうか。

― 第二章は「メディア・リテラシー」ですが、聞きなれない言葉です。

「メディアの読み解き方」という意味です。大手新聞やテレビの傾向性など幅広く触れています。情報の波にのまれないための知恵ですね。

第三章では、理想のジャーナリズムとは何かを書いています。

明治の教育者・福沢諭吉の先見力。経営学者のP・F・ドラッカーはナチスドイツに対して世界で最も早く警鐘を鳴らしたので、その洞察力。そして、現代の保守言論人の重鎮である渡部昇一氏からは、言論戦における勇気の大切さを学びます。