台湾企業の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(かく・たいめい)董事長が来日し、シャープ買収についての最終協議を進めている。シャープの高橋興三・社長との交渉は大詰めを迎えており、両社は7日をメドに契約締結を目指すという。4日付日経新聞などが報じた。

シャープは2月25日に、鴻海の買収提案の受け入れを決めたが、前日の24日、シャープから鴻海に3500億円の偶発債務(潜在的な債務)リストが送られた。鴻海の郭氏は報告を受けると怒声を上げ、シャープに説明を求めるなど、当初、破談になる可能性も浮上した。だが精査の結果、重大な問題にならないと判断したようだ。

この騒動について、4日付の日経産業新聞は、「郭董事長は24日の問題発生から一貫して『資産の精査を急ぎ、早く契約しろ』と発破をかける。シャープにかける執念は誰にも止められない」と、鴻海側が熱心にシャープ買収を進めていることを伝えた。

日本のシャープ買収を進めながら、中国に大型拠点を建設

一方、同日付の日経新聞は、鴻海が、中国南部の広西チワン族自治区の南寧市に、ITの大型産業パークを建設することを報じている。インターネットと接続する「スマートテレビ」など次世代品の受託生産の拠点とし、年1000億元(約1兆7400億円)の生産額を目指すという。

日本のシャープ買収を進めながら、並行して、中国に大型IT拠点の建設を目指す鴻海には、どのような思惑があるのか。

シャープ買収を進める鴻海の思惑

大川隆法・幸福の科学総裁は2016年2月、台湾の新総統に選ばれた蔡英文・民進党主席の守護霊を招霊した。その際、蔡氏の守護霊は鴻海のシャープ買収の狙いを、こう分析した。

少なくとも、日本の将来に対して、「経済交流を深めておいたほうがいい」という判断をしているということは間違いないでしょうね 」「 鴻海だって、中国政府に接収されるのを、すごく怖がってますよ」「万一、台湾が中国に接収される、あるいは侵攻されるようなことがあったら、本社を日本に移すぐらいのことだって考えてるはずですよ

日台の経済関係の強化が求められている

シャープが台湾企業に買収されることによって、日本の技術が台湾を経由して中国に流れ出ることを危惧する声もある。だが、中国の侵略を恐れる台湾にとっては、日本と経済的な関係を強めたい。

日本には、中国に台湾を乗っ取られないよう、アメリカを巻き込んで、台湾を環太平洋経済貿易協定(TPP)に加盟させて経済関係を強め、日台関係法をつくって、事実上の同盟関係を構築することが求められている。

(小林真由美)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『緊急・守護霊インタビュー 台湾新総統 蔡英文の未来戦略』 大川隆法著

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