2016年4月号記事

アメリカ大統領選

トランプの正体

この暴言王は日本の友人か?

2 分析

ヒトラーか? スーパーマンか?

トランプの暴言の裏にアメリカの今が見える

宗教差別や移民排斥ともとれる暴言を繰り返すトランプ氏は、「ヒトラーの再来」と批判されることも。にもかかわらず人気が衰えないのはなぜか。

(編集部 小林真由美)


contents


問題発言(1)

イスラム教徒入国禁止

「イスラム教徒のアメリカ入国禁止を要求する」

トランプ氏は昨年12月、自身のウェブサイトでこう表明した。加えて、イスラム系アメリカ人をデータベースで管理し、モスクを監視することも提案している。

これに対し、米国防総省は「過激派組織『イスラム国』を勢いづけ、アメリカの安全保障を脅かす」と警告。ホワイトハウスも「大統領になる資格がない」と批判した。

"炎上"は国内にとどまらない。イギリスでは、トランプ氏の入国禁止を求める署名が50万人を超え、議会で審議される事態に発展した。

トランプは「強いお父さん」

しかし、こうした批判後もトランプ氏の支持率は上がった。ニュージャージー州に住む60代女性の話に、そのヒントがありそうだ。

「アメリカ人は強い大統領が好きなのよ。レーガンが人気だったのも、ベルリンでソ連のゴルバチョフに、『この壁を壊しなさい!』と言える強さがあったから。

イスラム教徒を入国させないなんて滅茶苦茶なアイデアよ。でも、どれだけバカバカしい政策でも、『アメリカを守る』というメッセージが伝わってくるの。みんな、『強いお父さんが現れた!』と思ってるわ」

昨年フランスでテロを起こした「イスラム国」はアメリカを標的にすると宣言している。これに対して具体的な対応策を打ち出せないオバマ大統領への失望感などが、トランプ氏への期待に変わっている面もありそうだ。

次ページからのポイント

「イスラム教徒を愛している」

不法移民問題

事情通に聞く大統領選 ボブ・ニューマン氏