金星周回軌道投入に再挑戦する金星探査機「あかつき」の想像図。(JAXA)

日本の惑星探査が幕を開けた。

金星観測を目指す惑星探査機「あかつき」がこのほど、金星を回る軌道に入ることに成功した。日本の探査機が地球以外の惑星の軌道に入ったのは初めて。

あかつきは2010年に軌道投入を試みたものの、主エンジンの故障により、目標としていた軌道から外れてしまった。その間、軌道を修正するため、厳しい太陽熱に耐えつつ、太陽の周りを9周周回。最後は残された姿勢制御用エンジンにすべてが託された。

5年越しの悲願に、研究者たちの喜びもひとしおだ。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の中村正人プロジェクトマネージャーは「本当は5年前に達成していなければいけなかった。肩の荷を下した気持ちでいる」「やっと、世界の惑星探査の仲間入りができた」と、軌道投入までの経過を振り返っている。