2016年1月号記事
特集
2016年 笑う首脳、泣く首脳
安倍首相、オバマ大統領、習近平国家主席、プーチン大統領……。自分の生活とはあまり関係ないようにも見えるが、彼らの考えが、私たちの会社や生活、そして財布の中身にまで大きな影響を及ぼしている。各国首脳の「正義」について考えながら、2016年を乗り切るヒントを探る。
contents
第1部 日本・世界経済
本誌p.20:家計を苦しめるアベノミクス
インタビュー 作家 櫻井秀勲
本誌p.30:経済崩壊の中国が持つ切り札
インタビュー ジャーナリスト 相馬勝
本誌p.34:寄り合い所帯のEUの行方
インタビュー ドイツ在住作家 川口マーン惠美
第2部 マイナンバー
本誌p.46:マイナンバーであなたの財産が奪われる
インタビュー 会津大学特任教授 山崎文明
ジャーナリスト 山田順
本誌p.52:税金をいくら払うべきか、誰が決めている?
第3部 国際情勢
本誌p.58:シリアは今、世界の「関ヶ原」
本誌p.68:シリア情勢から世界が見える
2016年 日本経済
家計を苦しめるアベノミクス ~焦る安倍首相~
給料が上がらない、出費はかさむ、小遣いも減らされたまま。なのに、安倍政権は「アベノミクスの効果は出ている」と言い張る。
何かがおかしい。安倍政権の「正義」について問う。
(編集部 山本慧)
第1の毒矢
企業に口を出す"命令経済"
最近、安倍晋三首相が何かと口うるさい──。
11月、企業経営者を前にした官民対話で、「産業界はしっかり賃上げに取り組んでほしい」と述べ、経済界に従業員の給料を上げろと"命令"した。
9月にも、「携帯電話料金を見直すべき」と、特定の業界に対して料金の値下げを"指示"したばかりだ(下図)。
確かに、給料は増えた方がいいし、携帯の料金もできるだけ抑えたい。安倍首相は庶民の苦しみをよく理解していると捉える向きもある。
だが、ちょっと待ってほしい。自由主義国の日本で、政府がいちいち賃金や商品の価格に口をはさむのは不気味ではないか。
国民は円安でじり貧
増税で日本沈没
コラム・櫻井秀勲氏